NOVELIFE

読了した小説のささやかな記録。

『ロスト・ケア』葉真中顕

分かっていた。分かっている。分かっているのに。
人は立ちすくむばかりだ。
正しい者は一人もいない。楽園ではないこの世界で生きる者は、一人残らず罪人だ。
(本文より)


人はいつか死ぬ。分かっていることだ。それは自分だけではない。皆そうだ。もちろん家族も。


立ちすくむばかりで何もしないのは罪なのかもしれない。今出来ることは多分ある。避けることのできない未来から目を背けてはいけないのだと思う。でもね。なかなか難しいことだと思う。逃げたいし、ただ楽しく生きたい。


でも、逃げられない人達もいる。そういう人達がいるということは、想像出来る人間でいたい。


だからこそ、このような小説を読む意味があるのかなと思う。考えるために。思い出すために。


まあね。人生楽しんだもん勝ちだけどさ。たまにこんな小説を読んで考える時間を持つのもいいよね。ってことで。


感想

介護に関わる人達の苦悩。介護施設の裏事情。とてもわかりやすい文章で描かれていた。


もし、ミステリの形態をとっていなければ、もっと深く染み込んでくるような小説になっていたのではないかとも思う。これは仕方がないところだけど、僕としては、なんだか勿体無いなと思ってしまった。


まあ、その分とても読みやすいので、手に取りやすい小説であると思う。うん。構成力はすごい。


ブログを書いているとよくわかる。自分の構成力の無さ。笑