NOVELIFE

読了した小説のささやかな記録。

『パークライフ』吉田修一

★★★★☆ つい最近、仕事関係で知り合った方が、僕と同じ名前だった。お互いにびっくりして、笑った。一気に近しく感じた。中学の時に同じ学年に一人いたんだけど、それ以来だった。中々出会うことってない。 と思ってたんだけど、また出会った。まあ、今回は小…

『空中ブランコ』奥田英朗

★★★★☆ やっとこさ、仕事のほうも落ち着いて、気持ちにも余裕が出てきた。ここのところ、あまり本も読む時間を取れてなかったけど、仕事の休憩時間などに、ちびちびと読んでた短編が、奥田英朗さんの『空中ブランコ』。 前作の『イン・ザ・プール』と同様、や…

『私に似た人』貫井徳郎

★★★☆☆ 想像力と行動力。どっちも大事だと思うんだけど、片方が強いと、もう片方は弱くなる。反比例の関係にある気がする。 行動を起こさない人に、想像力がないというわけではない。むしろ、想像力があるが故に行動に移せないのかなとも思う。 多分、皆どち…

『刑事のまなざし』薬丸岳

★★★★☆ 週間天気予報に、ついに雪マーク。いよいよか、という感じ。北国の人間にとって、厳しい季節がやって来る。スタッドレスタイヤへの交換はお早めに。 そんな寒々しい季節は、家で大人しく読書でもしてるのが一番いい。ついでに熱燗もいいね。とはいえ、…

『最悪』奥田英朗

うわぁ最悪。。という言葉が、つい、口から漏れた。そして、タイトルを思い苦笑。その通りだと思った。でもね。タイトルは「最悪」だけど、読後感は「最高」。ものすごく面白かった。 最悪 (講談社文庫)posted with ヨメレバ奥田 英朗 講談社 2002-09-13 Ama…

『イン・ザ・プール』奥田英朗

なんだか疲れてるな。なんて時、僕は浅田次郎さんの短編小説を読む。ほっ、とする。心が浄化されたような気がする。 趣は全然違うけど、今回読んだ奥田英朗さんの『イン・ザ・プール』にも、そんな作用があった。スッキリ晴れた。心が。今日は仕事が楽しかっ…

『ロスト・ケア』葉真中顕

分かっていた。分かっている。分かっているのに。 人は立ちすくむばかりだ。 正しい者は一人もいない。楽園ではないこの世界で生きる者は、一人残らず罪人だ。(本文より) 人はいつか死ぬ。分かっていることだ。それは自分だけではない。皆そうだ。もちろん家…

『天使のナイフ』薬丸岳

だが、他人にその人間の本心などどれだけわかるというのだろう。(本文より) わかるわけがない。本心を隠していない人間なんかいないと思う。僕だってそうだ。 だから、無関係の人間が、事件の真相を暴こうなどと、必死になる様子を見るのは好きではない。と…

『臨床真理』柚月裕子

朝晩だいぶ涼しくなってきた。というかむしろ寒いくらい。もうすぐ岩手に雪が降る季節がやってくる。いや、まだ気が早いかな。笑 そう、僕は岩手に住んでいる。 そして先日知った作家、柚月裕子さん。僕と同じ、岩手出身だった。それだけで読む動機となるの…

ブログ論

始めて一年が経つ ポリシー 理想はエッセイ いや違うんだよ。ブログ論を語る、なんてそんな大それた話ではなくてさ。 どのようなブログにしようか。未だにフラついているのだけど、一旦落ち着いて考えてみようかなと思った次第。節目だし。 始めて一年が経つ…

『テロリストのパラソル』藤原伊織

「そうさ。人間は陳腐への階段を降りていく運命にあるんだよ」(本文より) 僕はどのあたりまで降りてきただろうか。まあ、元々高い位置にいたとは思えないし、階段も緩やかだろうけど、確実に降りてきているという実感はある。 陳腐という言葉は悪い意味で使…

『真昼の悪魔』遠藤周作

表向きは常識がある人間のふりをしているが、心の芯は冷えた砂漠よりつめたい。そんな人間を私はたくさん知っている。そしてあなたはその人たちより正直なだけだ。(本文より) 正直な悪魔と嘘つきな悪魔。ただそれだけの違いなのだろうね。人間様は。僕は嘘つ…